農園のおもい

平野正俊園長の語る
「なぜ、キウイ?」



主体的、能動的な農場経営を目指す

30年前アメリカで行われた農業研修で、日本とアメリカの農業観の違いに驚いた。「勉強しないと百姓くらいにしかなれない」と言われて育ってきたのに、アメリカでは、プロ野球やフットボールの選手が「いつかは自分の農場をもちたい」という夢を持っていた。農業はカッコいいものだった。自信と誇りを持ち、主体的に農業に取り組む人たちは、「自分にとっての農業とは何か」を考えるきっかけとなった。
主体的、能動的な農業観の始まりだった。

はじまりは、スプーン1杯のキウイの種

2年間のアメリカ生活の中で、キウイに出会った。当時はアメリカでも試験段階中。茶色くて毛が生えていて、中はエメラルドグリーン。今まで経験したことのない触感だった。苗木を持ち帰る許可は下りなかったが、友人から、ティースプーン1杯のキウイの種をもらった。
日本で、情熱を持って農業をやるためには、既存の体質に縛られない新しい何かが必要だった。キウイをやろう。好奇心と、意地と、新しいことへのチャレンジ精神。種を大事に育て上げ、今では80種類700本、50種類以上の新品種を開発する、日本最大のキウイ農園になった。


農業観、
そしてライフスタイル



人は自然に生かされている

畑で作業していると、横には小川や木があることに気づき、地中の虫や小魚にも目がいく。身近な自然とふれあい、体験することで、人は何かを感じ、何かを学ぶ。自然を壊し、開発することが発展とされる効率優先の社会の中で、農業には、農作物を栽培するだけではない機能や使命があるはずだ。「脱農業」の社会的傾向に疑問を持ち続け、「農の復権」へ向け、悩み抜いたすえたどりついたのは、家族や友人と収穫の喜びを分かちあい、動物たちとふれあう体験農園だった。

本当の豊かさとは何か

自然の中にいると、自然の偉大さ、命の営み、人間はさまざまな命に助けられていることを再確認できる。農業とは、"食"である。“食”を通じて農業や農村のことを考えてみると、人類が地球で生き長らえていくためにはどうしたらいいかが、ちゃんと考えられるようになる。
小さな子どもから大人まで、楽しく遊びながら、『自然』『農業』『本物』を体験し、学べる場を提供し続けよう。それが、私たちキウイフルーツカントリーの仕事であり、私自身のライフスタイルなのだ。


 

 

 

[平野正俊プロフィール]

体験学習農場「キウイフルーツカントリーJapan」園長
自然・農村・本物をキーワードに情報発信する「出会いと学びの体験学習農園」を経営、
未知なる可能性を求めた「創造農業」を目指す。
農業歴32年。
国内外の農村リーダー育成プログラムで、この農園は100名を越す研修生が育ち世界で活躍。
静岡県農業経営士、地域興しマイスター、アグロ・アドバイザー、ふるさと水と土指導員。
1996〜2000年農林省農業総合研究所・非常勤研究員
1998〜2001静岡大学農学部・非常勤講師
2002〜2004NPO法人掛川国際交流センター理事長
2004年〜NPO法人スローライフ掛川理事
2006年〜掛川ライフスタイルデザインカレッジ校長、オーガニックファーミング講師
趣味: トラクター